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事業内容/Business contents

スピーカー部品・カスタムスピーカー

音のプロフェッショナルが創る、カスタムスピーカー部品/ユニット。企画・設計から製造まで、お客様の理想を形に、日本品質の一貫生産
貴社製品に最適なスピーカー部品/ユニットを、企画・設計から製造まで一貫して提供します。
株式会社Ringは、長年の経験と高度な技術を持つ音響の専門家集団です。
音質、コスト、納期など、お客様のあらゆるニーズにお応えし、製品の価値向上に貢献します。
    スピーカーイメージ

Ringのスピーカー部品 / ユニット製造における強み

**カスタム設計・製造サービス**
お客様のご要望に合わせて、音質、サイズ、形状を自由に設計・製造できるカスタムスピーカー部品/ユニットに対応します。
**完全一貫生産**
スピーカー部品/ユニットの設計・製造プロセスにおいて、企画・開発、設計、金型製作、部品製造、組み立て、品質管理、最終検査まで、全てのプロセスを自社で完結できる体制を構築しています。 スピーカー音の入り口である各部品作成から、出口である音響放射まで、全プロセスを自社で完結します。
**専門知識**
音響特性を熟知した専門家が、お客様のニーズに最適なスピーカー部品/ユニットを設計します。
**高い品質**
「日本品質」を重視した生産体制を敷いています。掲揚工場ではクリーンルーム(クラス10万)での生産、自動化ラインによる高品質・低コスト生産、トレーサビリティの徹底を実現しています。ISO9001、ISO14001認証を取得しています。
**柔軟な対応**
試作から量産まで、少量多品種にも柔軟に対応可能です。
**グローバルな生産拠点**
日本(本社、熊本工場)、中国(深セン工場、掲陽工場、韶関工場)、ASEAN(カンボジア工場、フィリピン工場)、香港事務所に拠点を展開し、安定した供給体制を構築しています。特に掲陽工場は小型スピーカー部品/ユニットの開発・製造に特化した主要拠点です。カンボジア工場ではコネクタ、スイッチなどのアッセンブリーを行っており、今後スピーカー生産も予定しています。掲揚工場と同等のラインを増設し生産スタートする計画で、リスク分散と供給能力強化を図ります。複合的なものづくり対応が可能なグローバルな拠点展開です。
**幅広い実績**
自動車、セキュリティー、家電、アミューズメント、メディカルなど幅広い分野で使用される製品向けのスピーカー部品/ユニットの製造実績があります。
**開発実績**
特許取得スピーカー技術など、独自の技術でお客様の課題を解決するスピーカー部品/ユニットを開発しています。特に薄型TV用スピーカー技術やtwincoilスピーカー技術は革新的な技術として評価を得ています。
**環境への配慮**
環境管理基準を遵守した材料を使用しています。

スピーカーの種類別紹介

この項目では、スピーカーの基礎知識と、Ringが取り扱うスピーカーの幅広い用途について解説します。
スピーカーアイコン ダイナミックスピーカー
永久磁石とコイル(ボイスコイル)を利用し、コイルに音声電流を流すことで発生するローレンツ力によって振動板を駆動し音を放射するスピーカーです。構造が比較的簡素で音質も良いため、現在最も広く使用されています。振動板の形状にはコーン型やドーム型などがあります。
スピーカーアイコン 静電型スピーカー
薄い振動膜(ダイヤフラム)を2枚の固定電極の間に配置し、電極間の電圧変化によって発生する静電気力を利用して振動膜を駆動し音を出す方式です。振動膜全体が均一に駆動されるため、歪みが少なく高音質を得やすい特徴があります。自然なダイポール(双極子)放射パターンを持ち、音の広がりが良い反面、能率が低めであったり、駆動に高電圧が必要となる場合があります。

スピーカーの使用用途の紹介

各種製品におけるスピーカーの役割と重要性を説明します。Ringの技術は、皆さまの身近にある様々なモノに活かされており、自動車分野、セキュリティー分野、家電・アミューズメント分野、メディカル分野といった幅広い分野での採用実績があります。
具体的には、ガス警報器、火災警報器、医療機器、産業機器などに使用される重要部品であるスピーカーを、大手メーカー様のニーズに合わせてカスタム設計し、生産・納入しています。その他にも、コピー・FAX・プリンター複合機、給湯器・風呂湯沸かし器及びリモコン、TV、パソコン等の補助音源、車載用、ゲーム機、携帯電話用、TV補助音源や電話会議用機器など、多岐にわたる製品にスピーカーが使用されています。
特に、薄型TV用スピーカーの開発実績があり、従来品に比べより高音量・高音質で、厚みを1/10にしたスピーカーの開発を行っております。家電製品、情報機器、ゲーム機、車載用、防災・セキュリティー機器、医療機器、産業機器など、幅広い用途に対応可能です。
製品情報 (Product Information)
当社が設計・製造可能なスピーカー部品/ユニットのカテゴリーと事例を紹介します。これらはあくまで一例であり、お客様のニーズに応じたカスタム対応が可能です。

取り扱いスピーカー部品 / ユニット紹介

小型スピーカー部品 / ユニット

デジタル家電、モバイル機器、IoT機器など幅広い用途に対応する小型スピーカー部品/ユニットの設計・製造サービスをメインに紹介します。

薄型スピーカー部品 / ユニット

薄型テレビ、携帯電話、タブレット向けに最適な薄型スピーカー部品/ユニットの設計・製造サービスを紹介します。開発事例の薄型TV用スピーカー技術。
    

防災用スピーカー部品 / ユニット

火災警報器やガス警報器などに使用される信頼性の高い防災用スピーカー部品/製造サービスを紹介します。掲揚工場が防災・音響関連製品(スピーカー部品/ユニット)の開発・製造に特化しています。

カスタムスピーカー部品 / ユニット

お客様の要望に合わせて音質、サイズ、形状を自由に設計・製造できるカスタムスピーカー部品/ユニットの対応。
警報器用スピーカー

その他スピーカー部品 / ユニット

イヤホン用スピーカー部品/ユニット、車載用スピーカー部品/ユニットなど、その他の製品ラインナップの設計・製造サービスを紹介します。
警報器用スピーカー 警報器用スピーカー

取り扱いスピーカーの特徴

スピーカーアイコン 16PN241202-A
口径が16φと小口径ですが1.5Vの入力が可能で、1m80dBの音圧を叩きだすことが可能です。厚みは3mmしかなく小型の測定機や警報機、超小型プリンターなどの用途があります。
警報器用スピーカー
警報器用スピーカー 警報器用スピーカー
スピーカーアイコン 29PN958A
通常のスピーカーではF/0以下の周波数で入力する事はスピーカーに負担をかけるので避けますが、このスピーカーはF/0以下から高周波数まで入力が可能な為、警報機のブザー音と音声信号の入力に明確に音を出す事が出来ると共に、信頼性寿命も通常のスピーカーと同じ耐久性を保持しています。
警報器用スピーカー
警報器用スピーカー 警報器用スピーカー

スピーカーの製造工程

警報器用スピーカー 警報器用スピーカー
技術情報 (Technical Information)
株式会社Ringの技術力を詳しく解説します。

スピーカーの仕組み

電気信号から音への変換プロセスを詳細に解説します。
スピーカーアイコン 電気信号の入力
アンプからの電気信号が入力されます。
スピーカーアイコン ボイスコイルの振動(ローレンツ力)
電気信号がボイスコイルに流れると、磁気回路の磁界との相互作用により、ローレンツ力が働きボイスコイルが振動します。
スピーカーアイコン 振動板の振動
ボイスコイルに固定された振動板が、ボイスコイルの動きに合わせて振動します。
スピーカーアイコン 空気の振動(音波)
振動板が前後に動くことで周囲の空気が振動し、音波が発生します。

スピーカーユニット各部品の詳細

音を生み出す心臓部である各部品の詳細な解説と、Ringの技術を紹介します。
スピーカーアイコン 振動板(Diaphragm)
振動板が前後に動くことで周囲の空気が振動し、音波が発生します。
**役割**
空気の振動を直接生み出す部品です。音質に大きく影響を与えるキーパーツとされています。
**理想的な素材の特性**
軽量で高剛性(ヤング率が高い)、適度な内部損失が大きいこと、経年劣化が少ないことが求められます。これにより、分割振動や共振による固有振動を抑え、変換効率の良い音響特性を目指します。
**具体的な素材例**
伝統的に紙(パルプ)が使われるほか、ポリプロピレンなどの樹脂、アルミニウム、チタン、マグネシウム、炭素繊維、あるいは竹 のような天然素材を加工したものなど、多岐にわたります。独自の混練技術や成形技術により特殊な樹脂振動板を開発する例もあります。
**形状**
コーン型(円錐形)が最も一般的で、ピストンモーション(振動板全体が一体となって前後に動くこと)により音を放射します。ドーム型は主に高音用(トゥイーター)に用いられ、指向特性が良いとされています。平面型などもあります。
**製造方法・技術**
素材の特性を活かすため、プレス加工、射出成形、あるいは特殊な流動成形技術などが用いられます。素材の均一な分散技術や薄肉精密成形技術も重要です。マグネシウムなどの素材では、薄板圧延技術や防錆処理技術といった高度な加工技術が用いられることもあります。
スピーカーアイコン ボイスコイル(Voice Coil)
**役割**
アンプからの電気信号を運動エネルギーに変換し、振動板を駆動させるコイルです。
**素材**
導線には主に銅線やアルミニウム線(軽量化のため銅クラッドアルミ線CCAWも)が使われます。ボビン(コイルの巻枠)には、耐熱性や非磁性、軽量性が求められ、紙、アルミニウム、グラスファイバー、ポリイミド樹脂などが用いられます。
**設計**
巻き数、線径、長さ、巻幅、インピーダンスなどが音質や能率、耐入力特性に影響します。放熱性を高める設計も重要で、磁性流体をギャップに注入して放熱効果を高める技術もあります。
**製造方法・技術**
高精度な巻線技術や、導線とボビンを強固に接着する技術が必要です。耐熱性や音質向上のため、セラミック素材を用いたボイスコイルや、特殊な樹脂を用いた融着層で導線を固定する技術なども開発されています。
スピーカーアイコン 磁気回路(Magnetic Circuit)
**役割**
ボイスコイルが効率よく振動するための強力で安定した磁界を、狭いギャップ(磁気空隙)に集中して生成する部品群です。
**構成**
主にマグネット、ヨーク(ポールピース、バックヨーク)、トッププレートから構成されます。
**マグネットの種類とその理由**
フェライトマグネット(コストパフォーマンスが良い)、ネオジムマグネット(小型で強力な磁力)、アルニコマグネット(音質が良いとされるが、高価で希少)などがあります。用途やコスト、求める音質によって使い分けられます。アルニコは電流変化時の磁界安定性が高いとされます。
**設計上の工夫**
磁束密度を最大化し、磁気ギャップ内で均一な磁界分布を得るための形状設計が重要です。漏洩磁束を低減する工夫も行われます。磁性材料の工夫により歪みを低減する技術(例えば、磁気特性に優れた複合材コンパウンドの使用など)も開発されています。
スピーカーアイコン サスペンション(Suspension)
**役割**
振動板とボイスコイルを適切な位置に支持し、正確な前後の直線的な動きをガイドします。また、振動板の不要な動き(ローリングなど)を抑制し、適度な制動を与える役割もあります。ダンパー(スパイダーとも)とエッジで構成されます。
スピーカーアイコン ダンパー(スパイダー)
**素材**
主に布製(木綿、ポリエステルなど)で、コルゲーション(波形)を付けて成形され、フェノール樹脂などで硬化させることが多いです。アラミド繊維などの高機能繊維も使用されることがあります。
**形状・特性**
コルゲーションの形状や数、材質の硬さ、通気性などが直線性とコンプライアンス(動きやすさ)に影響します。直線性が高いほど歪みが少なくなります。
**設計上の工夫**
大入力時の安定性、耐久性、直線性のバランスが重要です。
スピーカーアイコン エッジ
**素材**
ゴム(ブチルゴム、EPDM発泡ゴム など)、ウレタンフォーム、布(ダンプ材塗布)、革などがあります。素材によって質量、制振効果、サスペンション効果、耐久性が異なります。エッジの素材としては、ポリエステル系繊維や金属薄膜に、特性を調整するためのコーティング(ウレタン系、アクリル系など)を施したものも用いられます。
**形状・特性**
ロール型(U字型断面)、逆ロール型、S字型などがあります。振動板の大きな振幅を許容しつつ、不要な共振を抑え、音波の反射をコントロールする役割も持ちます。
**設計上の工夫**
素材の選定と形状設計により、振動板の動きをスムーズにし、歪みを低減し、周波数特性を整えます。

メッシュフィルター

音響業界のアイコン
 音響業界  

・線径、メッシュの目開き、開口率、繊維の厚さに応じて、極めて   
 広い音響インピーダンス範囲をカバーします。
・精密なメッシュの目開きを疎水性コーティングと組み合わせるこ
 とで電子機器を保護し、機械的・音響的要件に対応します。
・導電性繊維は、電子機器の誤作動を防ぎ、また、電磁波から保護
 し、デザイン性も良く幅広く使用されています。
音響業界に使用されるSEFARメッシュの防災部品

エンクロージャー

響きを整える箱の役割と重要性を解説します。Ringが提供するスピーカー部品/ユニットの性能を引き出すエンクロージャー設計。
スピーカーアイコン 密閉型(Acoustic Suspension)
**特徴**
エンクロージャー内部の空気を完全に密閉し、その空気のバネ(弾性)を利用して振動板の動きを制御する方式です。
**メリット**
空気のバネ効果により振動板の動きが制動され、クセのない素直で締まりのある(タイトな)低音が得やすいです。過渡特性に優れ、音の立ち上がりや減衰が自然です。
**デメリット**
バスレフ型に比べて低音再生効率が低く、同じ低音域まで再生しようとするとエンクロージャー容積が大きくなる傾向があります。
スピーカーアイコン バスレフ型(Vented Box / Phase Inversion)
**特徴**
エンクロージャーにポート(ダクト)を設け、振動板の背面の音を利用して低音域を増強する方式です。ポートの共振を利用します。
**メリット**
密閉型に比べて小型のエンクロージャーでも豊かな低音再生が可能で、能率も高めやすいです。同じ容積なら密閉型より低い周波数まで低音を伸ばせます。
**デメリット**
ポートの設計が不適切だと、特定の周波数だけが強調されたり(ブーミーな低音)、ポートノイズ(風切り音)が発生したりすることがあります。過渡特性は密閉型に比べてやや劣る傾向があります。
スピーカーアイコン 材質
音質への影響
エンクロージャーの材質は、剛性、質量、内部損失(振動減衰特性)によって音質に大きく影響します。剛性が低いと箱自体が共振し(箱鳴り)、音が濁る原因となります。適度な内部損失は不要な振動を抑えます。
理想的な素材
高剛性で質量が大きく、適度な内部損失を持ち、加工しやすい素材が理想とされます。
具体的な材質とその選定理由
• 木材系: MDF(Medium Density Fiberboard)が最も一般的で、密度が均一で加工しやすく、コスト
     パフォーマンスにも優れています。合板(特に高密度なもの、例:バーチ合板)もよく使われます。
     パーティクルボードもしばしば用いられます。木材は適度な響きがあり、「温かみのある音」と
     表現されることもあります。
• その他: アルミニウムなどの金属(高剛性、共振しにくいが、特有の響きを持つ)、樹脂、複合素材なども
     使用されることがあります。
材質の厚み
厚いほど剛性が高まり、箱鳴りを抑えやすくなりますが、重量とコストが増加します。
内部構造
補強材(ブレーシング)を効果的に配置することで剛性を高め、共振を分散させます。吸音材(グラスウール、フェルト、ウレタンフォームなど)を内部に配置し、定在波の発生を抑制し、エンクロージャー内部の不要な反射音を吸収します。
スピーカーアイコン 設計
エンクロージャーの容積
スピーカーユニットの特性(Thiele/Smallパラメータなど)に合わせて最適化されます。容積が不適切だと、低音が出すぎたり、逆に出なかったり、特定の周波数にピークができたりします。
形状
形状によって内部の定在波の発生の仕方が変わります。平行面を避けるなど、定在波を抑制する工夫がされることもあります。
ポートの設計(バスレフ型の場合)
ポートの断面積と長さによって共振周波数が決まります。ユニットの特性とエンクロージャー容積に合わせて適切に設計しないと、意図した低音増強効果が得られません。
共振を抑えるための工夫
ブレーシング(内部補強)の配置、制振材の利用、エンクロージャーの板厚の最適化、吸音材の適切な使用 などが行われます。エッジの共振対策もエンクロージャー設計と関連します。

ネットワーク(クロスオーバーネットワーク) 役割

マルチウェイ(2ウェイ、3ウェイなど)スピーカーにおいて、入力された音声信号を各スピーカーユニット(トゥイーター、スコーカー、ウーファーなど)が最も得意とする周波数帯域に分割し、それぞれのユニットに適切に分配する回路です。これにより、各ユニットが無理なく性能を発揮でき、広帯域でフラットな再生を目指します。
スピーカーアイコン 構成
主にコイル(インダクター)、コンデンサー(キャパシター)、抵抗器(レジスター)といった受動部品で構成されます。
コイル
高い周波数を通しにくく、低い周波数を通しやすい性質があり、主にウーファーやミッドレンジのハイカット(ローパスフィルター)に使用されます。空芯コイルやフェライトコアコイルなどがあります。
コンデンサー
低い周波数を通しにくく、高い周波数を通しやすい性質があり、主にトゥイーターやミッドレンジのローカット(ハイパスフィルター)に使用されます。フィルムコンデンサー、電解コンデンサーなどがあります。
抵抗器
ユニット間の感度(能率)を調整したり、インピーダンス補正を行ったりするのに使われます。
*弊社にて、ご対応が出来ない部分や、仕様も御座いますので、ご了承ください

品質管理

製品にはロットナンバーとシリアルナンバーが印字され、検査データと連携させることで徹底したトレーサビリティを実現しています。掲揚工場では、主要な生産ラインはクリーンルーム(クラス10万)で生産されており、CCDカメラによる塗布位置や量の確認、自動での導通検査と不良品排除、NTI検査(特性、インピーダンス、f/o、極性)の自動検査装置による実施とシリアルナンバーとの関連付けによる完全なトレーサビリティ確保といった自動化された品質管理が徹底されています。半田付けも自動機で行い、コテ先温度を毎作業ごとに確認し、不具合はほとんど発生しません。
スピーカーアイコン 用語解説 (Glossary)
この項目では、スピーカーに関連する専門用語について解説します。
インピーダンス (Impedance)
スピーカーの交流抵抗値で、単位はΩ(オーム)で表されます。音声信号(交流電流)の流れにくさを示す指標で、周波数によって値が変動します。アンプとの整合性で重要となり、インピーダンスが低いほどアンプから多くの電流が流れ、一般的に音量が大きくなる傾向があります。
最低共振周波数 (f0) (Lowest Resonance Frequency)
スピーカーユニットをエンクロージャーに取り付けない単体の状態で、最も振動しやすい(共振する)周波数です。ユニットの振動板の等価質量とサスペンションの等価コンプライアンス(柔らかさ)によって決まります。この周波数では機械的なインピーダンスが最小になり、電気的なインピーダンスは逆に最大になる傾向があります。 低音再生能力の一つの目安となります。
出力音圧レベル (SPL) (Output Sound Pressure Level)
スピーカーに特定の入力(通常1Wの電力)を加えたときに、特定の位置(通常スピーカー正面軸上1m)で測定される音の大きさ(音圧)を示す指標で、単位はdB(デシベル)で表されます。 スピーカーの能率(効率の良さ)を表し、この値が大きいほど同じ入力パワーでより大きな音が出ます。
入力 (Input Power)
スピーカーに安全に入力できる電気信号の電力のことで、通常W(ワット)で表されます。定格入力(連続して入力できる電力)や最大入力(瞬間的に許容できる電力)などがあります。アンプからの出力がスピーカーの入力許容値を超えると、スピーカーが破損する可能性があります。
周波数範囲 (Frequency Range)
スピーカーが再生可能な音の高さ(周波数)の範囲で、Hz(ヘルツ)~kHz(キロヘルツ)で表記されます。例えば「50Hz~20kHz」のように表され、低い方の数値が小さいほど低い低音まで、高い方の数値が大きいほど高い高音まで再生できることを示します。
ひずみ特性 (Distortion Characteristics)
スピーカーに入力された元の信号(原音)に対して、再生された音にどれだけ余分な成分(歪み)が含まれているかを示す特性です。高調波歪み(入力信号の整数倍の周波数成分が発生する)や混変調歪み(複数の周波数を入力した際に、それらの和や差の周波数成分が発生する)などがあります。 歪みが少ないほど、原音に忠実な再生音になります。
音圧特性 (SPL Characteristics) / 周波数特性 (Frequency Response)
スピーカーが再生できる各周波数に対して、どれくらいの音圧レベル(音の大きさ)で再生できるかを示した特性です。通常、横軸に周波数、縦軸に音圧レベルをとったグラフで表されます。このグラフが平坦(フラット)であるほど、様々な高さの音をバランス良く再生できることを意味します。
dB (デシベル)
音の大きさ(音圧レベル)や電力比、電圧比などを対数で表現するための単位です。音圧レベルでは、通常、人間が聞き取れる最小の音圧を基準(0dB)とします。3dB増加すると音のエネルギーは約2倍、10dB増加すると約10倍になります。騒音レベルを示す際にも用いられます。
ローレンツ力 (Lorentz Force)
磁界中を電流が流れる導体に働く力のことです。フレミングの左手の法則で力の向き(電流の向き、磁界の向き、力の向き)が示されます。ダイナミックスピーカーでは、磁気回路が作る磁界の中で、ボイスコイルに音声電流を流すことでローレンツ力が発生し、ボイスコイルとそれに繋がる振動板を駆動します。
ボイスコイル (Voice Coil)
振動板を駆動させるためのコイル(電線などを巻いたもの)です。ダイナミックスピーカーの主要部品の一つで、磁気回路の磁気ギャップ内に置かれ、アンプからの電気信号(音声電流)が流れることでローレンツ力を発生し振動します。
振動板 (Diaphragm)
スピーカーユニットにおいて、ボイスコイルの振動を空気の振動(音波)に変換する部品です。コーン型、ドーム型、平面型など様々な形状があり、材質も紙、樹脂、金属、複合材など多岐にわたります。軽量で剛性が高く、適度な内部損失を持つことが理想とされます。
磁気回路 (Magnetic Circuit)
ダイナミックスピーカーにおいて、ボイスコイルが効率的に動作するための強力な磁界を生成する部品群です。主に永久マグネット、ヨーク(ポールピース、トッププレートなどを含む磁性体部品)から構成され、磁気ギャップと呼ばれるobium隙間に磁束を集中させます。
サスペンション (Suspension)
スピーカーユニットにおいて、振動板とボイスコイルを適切な位置に保持し、スムーズな前後運動を助けつつ、不要な横方向の動きを規制する部品の総称です。主に振動板の外周を支える「エッジ」と、ボイスコイルの根元付近を支える「ダンパー(スパイダー)」から構成されます。
エンクロージャー (Enclosure)
スピーカーユニットを取り付けるための箱のことです。キャビネットとも呼ばれます。振動板の前面から出る音と背面から出る音(逆位相)が混ざり合って低音が打ち消されるのを防いだり(バッフル効果)、ユニットの特性に合わせて低音域の再生能力を調整したりする重要な役割を持ちます。密閉型やバスレフ型など様々な形式があります。
ネットワーク (クロスオーバーネットワーク)
複数のスピーカーユニット(例:ウーファー、トゥイーター)で構成されるマルチウェイスピーカーシステムにおいて、入力された音声信号を各ユニットの担当する周波数帯域に分割するための電気回路です。コイル、コンデンサー、抵抗などで構成されます。
トレーサビリティ (Traceability)
ある製品がいつ、どこで、誰によって作られ、どのような部品や原材料が使われたのかなどを追跡できる状態にすること、またはそれを可能にするシステムのことです。 製造業においては、品質管理、問題発生時の原因究明、リコール対応などに不可欠です。
クリーンルーム (Clean Room)(クラス10万)
空気中の微粒子(ホコリなど)の数や大きさが管理され、一定の清浄度が保たれた部屋のことです。米国連邦規格において、クラス100,000は、1立方フィート(約28.3リットル)の空気中に0.5マイクロメートル以上の粒子が100,000個以下であることを意味します。 精密な部品の製造や組み立て工程で使用されます。
自動機 (Automated machine)
人手を介さずに、特定の作業や工程を自動で行う機械や装置、生産ライン全体を指します。 部品の供給、組み立て、加工、検査、梱包、搬送など、様々な工程で利用され、生産効率の向上、品質の安定化、省力化、作業者の負担軽減などを目的として導入されます。
NTI検査 (NTI Inspection)
文書中では「スピーカーの特性(周波数特性)、インピーダンス、f/o、極性)を検査すること」とあり、これは専門の音響測定機器を用いたスピーカーの性能検査を指すと考えられます。これらの検査機器は、スピーカーの周波数ごとの音圧レベル(周波数特性)、電気的な抵抗値(インピーダンス)、最低共振周波数(f0)、そして複数のスピーカーユニットやシステム全体での正しい音の出方(極性、位相)などを測定・評価するために使用されます。
ホットメルト (Hot melt adhesive)
常温では固体ですが、加熱すると溶融して液体状になり、冷却すると固化して接着力を発揮する接着剤の一種です。 溶剤を含まないため、乾燥工程が不要で、作業性や環境負荷の面で利点があります。
CCDカメラ (CCD camera)
CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)という撮像素子を使用したカメラのことです。 高画質な画像が得られるため、製造ラインにおける製品の外観検査、位置決め、寸法測定、文字認識など、「機械の目」として広く活用されています。
スピーカーアイコン 補足情報  騒音レベルと人の感じ方について
騒音レベルは、私たちの生活環境の快適さや健康に大きな影響を与える要素です。
ここでは、騒音レベルの指標であるデシベル(dB)と、それが人間の感覚にどのように対応するのか、一般的な情報を提供します。

騒音レベルの指標「デシベル(dB)」

騒音の大きさは「デシベル(dB)」という単位で表されます。デシベルは音の強さを対数スケールで示したもので、数値が大きくなるほど音が大きいことを意味します。
重要な点として、デシベルの数値が10dB増加すると、音のエネルギーは約10倍になります。しかし、人間の聴覚は対数的に音を感じるため、10dBの増加は「音が2倍になった」と感じるのが一般的です。逆に、10dB減少すると「音が半分になった」と感じます。

騒音レベルの目安と人の感じ方

以下に、一般的な騒音レベルの目安と、それがどのように感じられるかの例を示します。
騒音レベル (dB)音源の例人の感じ方・影響
120 dB飛行機のエンジンの近く聴覚機能に異常をきたす、極めてうるさい
110 dB自動車の警笛(前方2m)、リベット打ち聴覚機能に異常をきたす、極めてうるさい
100 dB電車が通るときのガード下、工事現場の騒音極めてうるさい、聴覚障害の可能性
90 dB犬の鳴き声(正面5m)、騒々しい工場の中極めてうるさい、長時間の暴露で聴力への影響の可能性
80 dB地下鉄の車内、電車の車内、ピアノ(正面1m)うるさい、かなりの大きな声を出さないと会話が困難
70 dB騒々しい事務所の中、騒々しい街頭、セミの鳴き声うるさい、会話に支障がある、集中力が低下する
60 dB普通の会話、静かな乗用車、家庭用洗濯機普通の会話が可能、多少うるさく感じる人もいる
50 dB静かな事務所、家庭用クーラーの室外機静か、小さな声での会話が可能
40 dB市内の深夜、図書館、静かな住宅地の昼静か、集中できる、ささやき声が聞こえる
30 dB郊外の深夜、ささやき声非常に静か、かすかな物音が気になる
20 dB木の葉のふれあう音、置時計の秒針の音(前方1m)ほとんど無音に近い、非常に静か
(注意) 上記の表はあくまで目安であり、音の種類や周波数、個人の感受性によって感じ方は異なります。

騒音に関する環境基準

日本では、生活環境を保全し、人の健康の保護に資する上で維持されることが望ましい基準として「環境基準」が定められています。騒音に関しても、地域や時間帯によって基準値が設定されています。 例えば、住宅地では昼間(午前6時~午後10時)は55dB以下、夜間(午後10時~午前6時)は45dB以下といった基準があります。

騒音が人体に与える影響

騒音は、単に「うるさい」と感じるだけでなく、人体に様々な影響を与える可能性があります。
聴覚的影響
大きな音に長時間さらされると、一時的または永久的な難聴を引き起こす可能性があります。
非聴覚的影響
o 睡眠妨害: 夜間の騒音は睡眠の質を低下させ、疲労回復を妨げます。
o ストレス: 持続的な騒音はストレスホルモンの分泌を促し、心身の不調につながることがあります。
o 集中力・作業効率の低下: 静かな環境に比べて、騒音下では集中力や作業効率が低下する傾向があります。
o 循環器系への影響: 騒音によるストレスが血圧上昇などの循環器系の問題を引き起こす可能性も指摘されています。

騒音対策

騒音問題に対しては、発生源対策、伝搬経路対策、受音点対策など、様々なアプローチがあります。
• 発生源対策: 音源そのものの音を小さくする(例:静音設計の家電製品を選ぶ、工事時間を配慮する)。
• 伝搬経路対策: 音が伝わる経路を遮断したり、吸収したりする(例:防音壁を設置する、窓を二重にする、
 厚手のカーテンを使用する)。
• 受音点対策: 音を受ける側で対策を講じる(例:耳栓やイヤーマフを使用する)。
スピーカーアイコン
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